地方議会の経費削減を実現したい



約5年振りに、我孫子市議会の本会議を傍聴した。傍聴者は5人で、筆者が傍聴席に付くと、市長を始め議員たちが、傍聴席を見上げた。
5年前の本会議一般質問では、議員が約15分くらい質問して、その後に市長や市幹部が個別に説明した。ところが今本会議では、一議員の短い質問に対して、いちいち市長や市幹部が説明する方法に変わり、約2時間続いた。聴いていると、我孫子市の現状や目指す方向がわかり、大変勉強になった。
しかしながら、これからが本番である。筆者はこれまで数回にわたり、地方議会の経費について問題提起してきた。つまり、国の借金が1千兆円を突破して、あらゆる組織が無駄な経費削減に取り組んでいる中で、地方議会費約4000億円(議員数約3万3400人)を問題にする言論機関が、ほとんど見当たらない。 だから、本当に毎年、莫大な税金を地方議会費に投入することが必要なのかと、問いたいのだ。
本会議の質疑応答は、非常に勉強になったが、議会本来の予算執行に対する質問はなかった。議員の最大の目的は、無駄な支出をチェックすることで、そのチェックの質問が全くなく、おおざっぱな質問だけで終了した。ある面当然のことで、地方自治体の一般会計は、だいたい9割くらいは使い道が確定した“基礎的経費”で、大幅な予算変更は出来ない。
我孫子市(人口13・1万人、議員数24人)の場合、一般会計は約377億円、議会費は約3・2億円で、一人当たりの議員報酬は年1000万円である。そして、多くの議員は任期中、本会議で1〜2回ほど質問して、年50日ほど議会に出る程度である。その議会費は、一般会計の約1%弱の経費が掛かっている。民間会社で、総経費のチェックに1%のカネを掛けることは、まずないと思う。
質疑応答の中では、子供の貧困問題も取り上げられた。所得が標準的な水準の半分に満たない世帯で育つ18歳未満の子供の割合を示す「子供の貧困率」は、2012年調査で過去最悪の16・3%に達している。我孫子市も例外ではなく、親の収入が100万円アップすると、子供の大学進学率が5%アップするという。これを聴いて、議会費を1億円削減出来れば、我孫子市の進学率も向上するではないかと思った。
日本の地方議会の経費は、欧米諸国と比べても断然多い。なぜ日本の地方議会の経費が、民主主義国家の中で断然トップになっているのか。原因は何か。それは、戦後のGHQの下、権力機関のチェックを重視する「地方自治法」が成立して、地方自治が強化されたからだ。つまり、日本を戦前と同じような中央集権体制にしないために、地方議会も強化、議員報酬も自ら決定出来るシステムにしたので、戦後は地方公務員並みに上昇してきた。今では、議員報酬は、地方議員の“既得権化”している。
今こそ、地方議員には、地元のために汗をかく“ボランティア精神”を求めたい。議員報酬の削減に対して、多くの議員が「議員報酬が削減されるならば生活出来ない」などと発言しているが、そのような人間は、そもそも当初から地方議員になる資格はないのだ。
国会議員の多くも、地方議会の経費問題は把握しているはずだ。しかしながら、国会議員も選挙の際には、地方議員の応援を必要としている以上、地方議会の経費問題に踏み込めないでいる。その意味で、意識の高い国民にしか、この問題に取り組むことは出来ない。だから、筆者は何回もこの問題を取り上げているのだ。