中央公論「壊死する地方都市」から



 最近、特集記事「壊死する地方都市」を掲載した中央公論を読んだ。この中で、日本や地方の問題点を有識者が指摘しているので紹介したい。
・2012年の出生率1.41を人口が維持される水準(出生率2.1)にまでに、仮に2030年に引き上げても、人口減が止まり、安定するのは2090年ころになる。その時の総人口は9900万人。出生率回復が5年遅れるごとに、将来の安定人口数は300万人程度減少する。

・日本では、大都市への「若者流入」が大規模に進んだことが、日本全体の人口減少に拍車をかける結果となった。「止血政策」として、これ以上の地方からの人口流出、特に若者流出を防ぐ対策を早急に講じる必要がある。

・地方の中規模のモデル都市で考えるど、地方経済はざっくり言って年金、公共事業、それ以外の「自前」の産業がそれぞれ3分の1ずつで回っている。…この点では、地方雇用を創出するための地方の産業育成策や大学等教育機関の地方分散などが考えられる。

・地域政策はもともと「伸ばすべき地域を伸ばす」政策と、「取り残された地域を救う」という政策に二分されるのだが、従来型の地域づくりでは、政策の中心は「遅れた地域をいかに救うか」ということだった。…これからは「本当に必要な地域を選択的に助ける」ことが求められる。近年の地域づくりは「伸びる地域をできるだけ伸ばし、立ち遅れた地域は対象を絞って集中的に助成する」という方向に進みつつある。

・安倍内閣の公共投資増の名目は、景気対策と国土強靭化である。…せっかく脱公共事業が浸透してきた地域開発も、再び公共事業頼みになってしまうだろう。…地域づくりは再び「国主導へ(国の基本計画に地方が従う)」「分散志向へ」「公共投資のハード中心へ」「後進地域中心へ(国土の均衡ある発展を志向)」と逆戻りしつつあるように見える。

・東京の世田谷区は人口が約86万人だが区議会議員は50人しかいない。一方、島根県は人口約71万人で、県議会と市町村議会の議員は約360人、鳥取県は人口約59万人で議員が約330人もいます。

・限界集落をそのまま残していくと、道路などのインフラ整備も必要になります。…でも、東京に来ると道路はお粗末で…こういう財政の中でどうしたらコストカットしながら地方を生き残らせることができるか。これが地方選出議員の命題なんです。

・地方では、後継ぎがいないので空き家になる家が多くなっています。…乱暴な話だとは思いますが、住まないなら社会資本として所有権を放棄してもらい、社会に還元してもらうということも一つの考え方ではないでしょうか。

 以上の抜き出しから、日本の地方が担わなければならない分野はないだろうか?知恵の出しどころだと思う。