徳田虎雄氏の病気「ALS」



 徳州会創設者・徳田虎雄氏の事を知りたくて、青木理の著書「トラオ 徳田虎雄 付随の病院王」を読んだ。ところが読了後、徳田氏の生き様よりも、徳田氏が冒されている病気「ALS」(筋萎縮性側索硬化症状)の悲惨さに驚いてしまった。
 ALSとは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気。運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をうけ、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり筋肉がやせていく。その一方で、体の感覚や知能、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれることが普通。最後は、呼吸の筋肉(呼吸筋)も働かなくなって大多数は呼吸不全で死亡。病気になってから死亡までは、おおよそ2〜5年。現時点で有効な治療法はなく、日本では年間10万人あたり約1人が発病し、現在の国内患者総数は約8500人との事。
 ここからが悲惨な話し。呼吸筋が冒されて全身付随となった後、気管を切開して人工呼吸器を装置することでかなりの期間、命を長らえことができる。最近は、呼吸器をつけて30年近くも生きている人がいる。
 介護者は、基本的には唾液や寝返りの補助を15分か30分おきぐらいで作業しなければならない。更に患者は、夜間にだいたい1時間くらいで目をさますので、介護者は24時間の介護になる。そのため、多くの家庭が崩壊していると言うのだ。
 ここからは、死生観だと思う。現在、人工呼吸器をつける患者は3割強であるが、医療従事者の9割以上が「つけない」という反応。海外でも呼吸器をつけず、自然死を望んでいる人が多いと言う。
 それにしても、とんでもない病気を神様は人間に与えた。徳田氏は、大きな目標があるから耐えられるのだろうが、私のような根性なしには無理だ。その意味では、呼吸器をつけて生きている患者たちには敬服する。最後に、全てのALS患者に熱いエールを送りたい。頑張れ…。