北・北海道の高校ラグビー界の現状



 今回は、北・北海道の高校ラグビー界の現状を紹介する。4月末になって、今年度の新入部員数が確定したが、それは遠軽、北見北斗、富良野、旭川工、旭川龍谷の指導熱心な監督たちのブログのお陰である。
 まずは、花園4年連続出場の遠軽が12人、更に北見北斗3人、富良野11人、羽幌16人、旭川工8人、旭川龍谷7人である。その結果、選手(マネージャーを除く)の多い順番に並べると、遠軽40人、旭川工32人、北見北斗26人、富良野26人、羽幌24人、旭川龍谷19人になった。更に、今年度の花園出場を遠軽と争うであろう中標津は、監督先生がブログを発信していないので、2・3年生の在籍数15人しか把握出来ない。同じく2・3年生の在籍数が帯広工20人、湧別が11人であるので、これらの高校も15人の単独チームが編成出来ると思う。という訳で、今年度の単独チームは「9」と予想する。
 今年度の入部数で一番驚いたのは、羽幌の16人である。なぜなら、羽幌は昨年遠軽と決勝を争った相手であるが、3年生10人が卒業、残ったのが8人だけであったので、今年度は単独チームを編成できないと予想した。ところが16人の入部、嬉しくてしょうがなかった。その理由は、全国的に少子化でチーム数が減少している中で、北・北海道の実情も同じ傾向にあるからだ。
 チーム数の減少は、各種大会にも影響を与えている。例えば、花園をかけた北・北海道大会には例年8チーム出場するが、その前の各支部大会は道大会の出場校を決めるというより、シード校を決める大会になっている。なぜなら、単独チームを編成できる高校が10チーム以下になっているので、支部大会に出場したチームは、ほとんど道大会に出場できるためである。
 戦後の北海道高校ラグビー界は、オホーツク管内がリードしてきた。その背景には、昭和20〜30年代に北見北斗が全国大会で準優勝4回という華々しい活躍があったことから、自然に周りの高校にも普及した面がある。そして、私の高校時代の40年以上前には、管内には8単独チームくらいあり、地元のNHK北見局が試合を放送していた。ところが、昨年度のオホーツク管内の単独チームは、遠軽、北見北斗、湧別の3チームだけであった。誠に淋しい限りである。だからこそ、管内は違うが、羽幌の16人は嬉しかったのだ。
 最近、北・北海道代表は、全国大会では一回戦を突破できれば、上出来の現状にある。そこには、生徒の減少と部員数の減少、更に大都市での小・中学生を対象としたラグビースクールの普及がある。そこで、オホーツク管内でも、ラグビースクールを始めた地域が多くなってきた。という訳で、遠軽も遅まきながら昨年度からラグビースクール出身者が、オホーツク管内から集まってきた。今年も美幌2人、網走1人、北見1人、更に遠軽3人の計7人がラグビースクール出身者である。
 長々と現状を紹介した。だが、北・北海道代表チームが、全国大会で強豪校と白熱したゲームを展開するためには、どこか一校に選手を集める方法も一案ではないのか。なぜゆえ、そう考えるのか。今年優勝した東海大仰星は部員数が計128人で、その他の強豪校も部員数が60人以上である。要するに、一学年20人以上の部員数が在籍していないと、強豪校にはなりえないという現実がある。
 他競技を見ると、高校バスケットの秋田県立能代工業は、余りにも有名である。全国から選手が集まり、全国優勝58回。更に、全国駅伝では、世羅、小林、西脇工などが有名で、全て田舎の公立高校である。遠軽も近くの旭川、帯広、北見から選手を集め、田舎の強豪校を目指しても何ら不思議ではない。それは同時に町おこしにも繋がる事業だ。
 以前、何かの書物で元同大ラグビー部監督・岡仁詩氏が「ラグビーの本場、ニュージーランドでは、事前に70点以上の点数が開くと予想できる試合は行わない。なぜなら、選手強化にならないし、観客も面白くない。一番重要なことは、選手のケガに繋がるからである」と書かれていた。要するに、最近の高校ラグビー界では、実力不足の都道府県代表は“全国大会に出場する資格がない”という事で、花園の出場チームを現在の「51」から「32」に減らす構想がある。そのため、全国大会で大敗を続けていると、将来的には“北海道からの代表は1校で良い”という事態になる。だから、遠軽を強化しなければならないのだ。
 なお、北海道代表は、昭和32年の第36回全国大会から南・北各一校が出場する事になった。南・北海道代表は、最近は札幌山の手が14回連続出場しており、南代表の方が北代表より実力は一枚上である。