北海道新幹線の新駅名「新函館北斗」決定を受けて



 JR北海道は11日、2016年3月に開業する北海道新幹線で、難航していた北斗市の新駅名を「新函館北斗」と決めた。筆者は、北海道新幹線によって函館市、更に北海道全体の発展を願って、新駅名を仮称「新函館」を支持したので、残念な結果になった。
 しかしながら、鉄道における新幹線新駅名や建設ルートなどで、地元住民の意見を尊重することが、最良の選択であるのか?これから、地元住民の意見を尊重して鉄道ルートを変更、後世の人たちが大迷惑している例を2つ紹介したい。
 筆者は若い頃、鉄道旅行が好きなので、北海道旅行も列車を利用した。そういう中で、東北本線の列車が仙台駅を発車した後、何故か北上しないで海岸線に出て、それから北上するので、いっも疑問に感じていた。その理由は、仙台市の真北に古川市(現在・大崎市)という大きな町があるのに、わざわざ海岸線経由で建設したからだ。
 調べると、遠回りしている仙台と一関間は、在来線で93.3キロの距離があり、直線で結べば約20キロは短縮出来る。時間では、約15分は短縮出来たはずだ。
 後日、宮城県出身の友人に尋ねたところ、「そうなんだよ。明治時代、東北本線を建設する際、古川市の住民が、煙害で作物や家畜に影響があるとして反対した。お陰で東北本線は遠回りをすることとなり、大崎平野の中心地・古川市は、発展することがなかった」と教えてくれた。
 やはり、そうであったのか。現在でも、東北新幹線のルートまで影響を与えたようで、仙台付近が大きく遠回りしている。在来線の遠回りによる無駄な維持管理費は、東北本線開業以来100年で、いくらになるのか?その意味では、古川市民先祖の罪は重い。
 もう一つ。1985年、横浜駅と新横浜駅間の横浜市営地下鉄が開業したが、当初は直線的に建設する予定であった。ところが、途中の商店街から「商店街の中に駅が出来ると、お客が横浜に流れる」との理由で反対、結局、大迂回して建設(7キロ)された。そのため、両駅間の時間は11分くらいになり、直線的に建設されていれば、約3分短縮できたはずだ。
 開業して数年後、ある新聞が地下鉄の駅建設に反対した商店街幹部の発言を掲載。幹部は「地下鉄の駅ができなくっても、客が減った。これでは、駅が出来た方が、人通りが増えて、売り上げが減ることもなかった」との発言。
 筆者は、この記事を読んで怒りがこみ上げてきた。商店街の反対で、約2キロの距離を余分に建設する事態になり、“今さらなんだ”と思ったからだ。無駄な建設費、将来にわたる維持管理費、乗客の無駄な時間、全てが無駄になる。
 話しを「新函館北斗」に戻そう。筆者は以前、山陽新幹線の「小郡」から「新山口」に駅名を変更した際、数千万円の費用がかかった書いた。しかし、ネットを見ると2億数千万円と書かれていた。要するに、新幹線の駅名変更には、多額の費用が必要なのだ。もしも将来、北斗市が吸収合併で函館市になったら、駅名はどうなるのだ。誰が駅名変更の費用を負担するのか。赤字のJR北海道が負担するのか?今の北斗市長や議会人は、一銭も負担する必要はないのか?こんな先見性もない、無責任な人たちの意見を尊重する必要があるのか、と甚だ疑問に思っているところである。