北海道新幹線の早期開業、どうにかならないのか



 本年3月14日、長野〜金沢間の北陸新幹線が開業、更に上野〜東京間で「上野東京ライン」の運行が始まるなど、本年は鉄道の祝い事が多い年になりそうだ。そうした中、政府は1月8日、北海道新幹線の新函館北斗〜札幌間の開業を5年間早めて、2030年度に前倒しする方針を決めた。嬉しいことであるが、はっきり言って、もう少し“開業を早められないのか”という感じである。
 実は、昨年12月中旬、所用で熊本市に赴いたが、往復新幹線を利用した。東京駅から新大阪駅で乗り換えて、片道約5時間50分、料金は往復で約5万円であった。往復の車中では、計4個の駅弁を食べたりしたが、考えたことは“北海道新幹線”のことであった。つまり、新幹線には飛行機にはない乗りごごちや便利さがあることを確認したので、早く道民に味わってもらいたいと思ったのだ。東京〜札幌間は約5時間であるので、飛行機のほかにもう一つ強力な交通機関が加わり、それが観光客の大幅な増加に繋がると考えたからである。
 それでは、早期の北海道新幹線開業には、どのような方策があるのかを考えたい。当然のことであるが、我が国の財政状況が厳しく、なかなか建設予算を捻出出来ない事情は重々承知している。しかし、北海道を少しでも自立させるためには、一番伸びる可能性がある“観光業”は無視出来ない産業と思う。
 どうであろう、北海道の道路や港湾整備予算の一部を新幹線建設に回せないだろうか。以前、オホーツク沿岸の友人に提案したところ、友人曰く、
「何を言っているのか。北海道新幹線が全線開業して潤うのは、札幌近辺だけで、地方には余り関係がない。地方の道路建設は、地元住民の“命”に関わる事業である。特に冬場の緊急医療は、一刻を争うことなので、道路建設の延期には反対だ」
とのお叱りを受けた。
 確かに、北海道の試算によると、新函館北斗〜札幌間が30年度に開通した場合の経済効果は道全体で1048億円。前倒しで9%増えるが、効果の7割は札幌市に集中するとの事。しかし、これこそが「トリクルダウン効果」に繋がるのではないか。
 北海道新幹線開業が早まっても15年先。我が輩には、15年先の北海道、いやオホーツク沿岸の状況は想像も出来ない。もしかしたら、観光客が増加しても、古くからある旅館もなくなり、故老もいなくなり、寂しい地域になっているのではないか。そして、15年先の開業では、現在60歳以上の人たちには何ら恩恵がないし、この世代の消費先にもならない。お互い不幸な関係になってしまう。
 2008年11月17日、JTB社長がテレビ番組の中で、大変参考になることを述べていた。旅は“時間の消費財”で、旅には5の力がある。①交流の力②文化の力③健康の力④教育の力⑤経済の力ーである。日本は観光を軽視し、観光資源に気がついていない。観光は、地域活性化の切り札。人口減だからこそ、交流人口を増やせ。観光は世界最大の産業(メモ書きから)。
 やっぱり、北海道新幹線を早期に完成させたい。北海道の“観光産業”の力量を軽く考えるべきではないと思う。