東京・新宿歌舞伎町の“ぼったくり”は歴史が長い



 最近、東京・新宿歌舞伎町の“ぼったくり”が、テレビや新聞で盛んに報道されている。7月5日付けの「朝日新聞」も、歌舞伎町での“ぼったくり”を詳細に報道している。
 吾が輩も、歌舞伎町での“ぼったくり”では、思い出がある。もう35年前のことか、代議士秘書と新宿で飲酒し、駅に向かっていたところ、若い男性から「ビール2本つけて、お二人様6000円でどうですか」と声を掛けられた。酔いに任せて、薄暗い地下一階の店に入ったところ、若い女性が2人横に座り、我々の了解を得て、自分の飲み物を注文した。40〜50分で店を出ることにして、精算をお願いしたところ、4万5千円を請求された。
 我々二人は、当然のごとく「約束が違うではないか。2人で4万円しかない。近くの交番に行こう」などと抗議して、強引に店を出て、近くの交番に赴いた。交番で、警察官に実情を話したところ、警察官は「あなたも知っての通り、警察は“民事不介入”です。でも、困っているようなので、店長を呼び出します。この場所で交渉して下さい。店名を教えて下さい」と述べて、店に電話をした(秘書は、自宅が横浜方面で遠く、吾が輩に1万円を渡して帰宅)。
 約15分後、吾が輩より年長の男性店長が交番に来たので、2人の間で交渉を始めた。店長は、なんだかんだ言って、自分たちが請求した金額の正当性を述べたが、結局、しぶしぶ3万円で妥協した。
 要するに、吾が輩の時代から歌舞伎町では“ぼったくり”は存在していたが、金額はこの程度であった。ところが、新聞で報道された逮捕事案を読むと、もう“ぼったくり”で済まされる金額ではない。今年、摘発された主な事件事例として、
・男性1人に約15万円を請求
・男性1人に約16万円を請求
・客4人に42万円を請求
・客9人に266万円を請求
・客2人に110万円を請求
――などが紹介されていた。
 このような高額金額を請求する店は、既に“ぼったくり”の範疇を超えて、最初から恐喝、脅しを目的に店を開いている“犯罪集団”である。つまり、現在社会問題になっている“オレオレ詐欺”とちっとも変わらない“犯罪集団”である。
 警察官は以前、すぐに“民事不介入”という言葉を発していたが、最近は発しなくなった。その背景には、小さな民事事件が、将来、大きな事件になる“前触れ”と気がついたことである。その意味では、今後もどんどん警察が民事に関わるべき、とは言わないが、警察が民事に関わることが必要な時もあるのだ。