国よりも組織? 人事異動に見る検察の「体質」



 さいたま地検検事正・O氏が、3月26日付で退職する事を新聞で知った。調べてみると、確かに26日が63歳の誕生日であった。同人は逮捕された元大阪高検公安部長を取り調べた人物である。大阪高検公安部長の逮捕は当時、検察不祥事として大きくメディアに取り上げられ、また、逮捕の背景に裏金問題があるとも囁かれた。当時、O氏はたまたま大阪地検総務部長であったので、同事件の取り調べの中心になったのだ。ところが、その後、驚くようなスピードで出世し、最後は最高検総務部長、そしてさいたま地検のトップにまでのぼりつめて退職した。同人の経歴を見ると、8年遅れの32歳で検事に任官している。普通では、高検の平検事で退職するケースである。なぜ、急に出世し最高検総務部長にまで就任したのか?そして、確かに検事の定年は63歳であるが、認証官である高検検事長以外で、定年まで在籍する検事はほとんどいない中で、どうして定年まで在籍できたのか?
 更にもう一人、急に重要なポストに異動した検事が、大規模地検の検事正のI氏である。同人も、たまたま元公安調査庁長官が逮捕された際、公安調査庁総務部長であったので、色々と中心的に動き回った。たまたまである。同人も出世と縁遠い3年遅れの27歳で検事に任官しており、とても高検検事長に就任するような経歴ではなかった。
 いずれのケースも、たまたま事件を担当するポストにいたので動いただけである。それにも関わらず、何ゆえに急に出世したのか。検察庁は、国のためよりも、組織のために動いた人物を評価する組織なのか。おそらく、このような人事については、検事仲間も酒のつまみにして、ぼやいている事は想像出来る。検事の士気に関わる問題である。

選択「組織防衛で暴走する検察 改革案を『骨抜き』に」